ビジネスの革新的な進化によりスピードが速まる中、新卒採用と並び即戦力としての活躍が期待される中途採用のニーズは高まっています。必要なタイミングで人材を採用できる反面、採用フローが確立されていなかったり、採用手法が様々だったりと悩みの種も多いです。
初回は、「2021年の動向と中途採用のメリット」について解説していきました。前回の内容を踏まえながら、「新卒採用との違いと採用の流れ」について迫っていきます。
中途採用と新卒採用はココが違う
新卒採用で充足できなかった人員を中途採用で補う、もしくは中途採用がうまくいかないので新卒採用に力を入れていくのか検討されている採用のご担当者様も多いのではないでしょうか。
簡単に中途採用と新卒採用を比較してみました。今後の採用計画の参考にご覧いただければと思います。
中途採用の主なターゲット
ターゲットとなる人材の年齢やキャリアは様々です。想定されるターゲットについて紹介していきます。近年では、中途採用市場において30代から50代の求職者を指す「ミドルシニア層」が注目されており、下記の年代を目安に名称が付けられています。
若手:29歳以下
ミドル:30歳~54歳
シニア:55歳以上
■ 20代
「若手」といわれる20代は中途採用の中心となる年代となります。その中で年齢や経験によって大きく3つに分けることができます。
既卒
大学や専門学校を卒業後、正社員としての就業経験を持たない若年層を指します。
正社員としての就業経験がないため、新卒と同様、ポテンシャル採用ととらえると良いでしょう。
第二新卒
大学卒業後、一度企業に就職したものの3年以内に退職・あるいは転職活動を行っている人材。少なからず社会人経験を持っているため、
新卒のようにイチから教育する必要がなく育てやすいのが特徴です。
早期離職してしまうのでは?と不安をお持ちの方は選考時に前職の離職理由・転職理由を聞き、ミスマッチを防ぎましょう。
即戦力
3年以上の業務経験を持っており、特に研修などを必要としない人材。
人によっては、知識やノウハウなど蓄積していることも多く、入社後早期の活躍が期待できます。
また、専門性の高いスキルを保有している場合など、本人のスペック次第では若手リーダーとしての登用も可能です。
■ 30代~50代
豊富な経験と知識をもつミドルシニア世代の方は、マネジメント職や若手の育成などが期待できます。本人の能力や意向次第では雇用のメリットを最大限に引き出せるでしょう。
プレイヤー
営業や技術職などの職種は、経験の浅い20代若手と比較すると、豊富な知識やスキルを持っており、
特に経験の量が結果に繋がりやすい職種で高いパフォーマンスを発揮することが期待できます。
管理職(マネージャー)
ミドルシニア世代がこれまで培ってきた知識やノウハウ、経験を活かして
若手社員の育成とマネジメントで組織の成長が期待できます。
ターゲットとして、他社での経験から組織に足りない視点やノウハウを持ち込んでくれるような人材が適切です。
安定した増員対象
若手が集まりづらい運送業のドライバーや警備員などの職種は、慢性的な人手不足で悩みを抱えています。
ボリュームのあるシニア層を積極的に登用することで、人手不足解消に繋がります。近年では、特に人手不足が著しい飲食業界などでもミドルシニア世代を積極的に登用しています。
中途採用の選考フローと採用の流れ
1.採用計画
自社にない専門スキルの獲得や事業拡大にともなう増員など採用目標を設定します。その上で経験・スキル・知識とタイプに分け、それぞれ必要な部分と欲しい部分で優先順位をつけ整理します。これらの要件は選考基準を設定する上でも重要な指針となります。
2.採用方法の選択
次に、転職市場で「自社が求める人材がどれくらいいるのか」「競合になるのはどの企業なのか」「求人倍率はどのくらいなのか」など相場を把握します。対象となる人材を効率的に集められる採用手法を選択すると同時に、選考フロー、スケジュールの設定、面接のスケジュール確保など社内体制を整えます。
3.母集団形成
求職者にアピールできる自社の魅力を整理し、募集要項など条件面を確定します。自社のホームページの見直しや、求人広告への掲載、エージェントへの案件提示など様々な手段で母集団を形成します。質の高い母集団を形成し採用成功を目指します。
4.採用選考
一般的な転職事例では、在職中で平均3~4社、希望する業種によっては7~8社に応募する場合が多いようです。同時並行で転職活動を進めており、選考スピードが重要となります。株式会社マイナビ「中途採用状況調査2021年版」によると、 採用成功した企業の応募から面接までの平均日数は「WEB面接」で12.7日「対面での面接」で10.3日、また一次面接から内定を出すまでの平均日数は 「WEB面接」で11.3日「対面での面接」で8.9日となっています。
5.内定
内定は条件提示だけではなく、入社後の期待を伝えることが重要です。他社を選考中の場合もありますし、退職交渉や引き継ぎなどで候補者にとって負担の大きい時期が続きます。安心して入社を決められるよう定期的にメールや電話などで連絡しフォローすることが重要です。
6.入社
これまで他社での社会人経験があっても環境が変わることは大きな負担が掛かります。職場や仕事に早く慣れられるよう、人事と配属部門で細かくサポートすることで、本来の力を引き出すことに繋がります。
いかがでしたでしょうか。
採用計画を立てる上で必要なターゲット設定や選考の流れについて解説していきました。計画性を持って取り組まなければ余計な時間とコストが掛かってしまうため注意が必要です。今後も、中途採用の基礎的な部分を踏まえながら最新情報を今後もお届けしていきます。次回は、「中途採用の最適な時期と最適な求人媒体」について解説していきます。
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