ビジネスの革新的な進化によりスピードが速まる中、新卒採用と並び即戦力としての活躍が期待される中途採用のニーズは高まっています。必要なタイミングで人材を採用できる反面、採用フローが確立されていなかったり、採用手法が様々だったりと悩みの種も多いです。
今後の転職市場はどうなるのか?注目すべき募集方法とは?中途採用を行うにあたり押さえておきたい特徴や注意点をシリーズでお送りしていきます。初回は「2021年の動向と中途採用のメリット」について解説していきます。
2021年 中途採用市場の現状
新型ウイルスの感染拡大により、2020年より世の中が大きく変化しました。「テレワークの推進」「時差出勤」「休業要請」などの要因により、企業は業績の見直しに加え採用計画の変更が発生しています。急速にビジネスのオンライン化が進んだことで、働く場所に制限がなくなり副業を希望する方も増えています。また、起業を目指すなど理想とするキャリア形成も変化しています。
株式会社マイナビ【2021年2月度】正社員求人の掲載数・応募数推移レポートによると、一度目の緊急事態宣言が発令された2020年4月は前年比40%減の出稿となりましたが、それ以降は徐々に回復していき2021年2月にはほぼ前年比並みに復調してきています。この傾向は今後も続いていくと予想されます。
■ 業界や従業員規模により応募は2極化に
2021年も下半期に突入し、先行き不透明な状況が続いています。緊急事態宣言やまんえい防止等重点措置が頻繁に発令されており、大きな影響を受けている「フードサービス」や「レジャー」の業種では人手余剰感が高まる一方、「医療・介護・福祉」はもちろん、先述したビジネスのオンライン化を促進する「IT・通信・インターネット」の他インフラを支える「運輸・交通・物流・倉庫」では人手不足の状態が続いています。
株式会社マイナビ「中途採用状況調査2021年版」によると、2020年を通して「IT・通信・インターネット」「金融・保険・コンサルティング」「運輸・交通・物流・倉庫」の業種かつ従業員数1,001名以上の上場企業で「総応募者数」が200人を超えました。反対に「フードサービス」では40.5人となっており、業界や従業員規模により応募者数の多寡が2極化している様子が伺えました。
■ 選考の中でWEB面接を導入していた企業は58.8%
採用方法において、この1年で大きく変化したのは多くの企業でWEB面接が導入されたことです。「2020年の採用面接においてWEB面接を実施した企業は全体の58.8%、そのうち最もWEB面接が導入されたのは一次面接という結果となりました。また、WEB面接を実施した企業のほうが採用者の「質に満足」した割合が高かったです。( 株式会社マイナビ「中途採用状況調査2021年版」)
中途採用のメリット
「これまで新卒採用を中心に行ってきたが、業績の見直しや業界の変化に対応していくため、即戦力である中途採用で強化したい」、「DXの推進に必要な人材を急いで採用したい」など、中途採用を人材獲得の重要戦略と位置づけている企業が増えています。企業の事業戦略上、重要となる中途採用のメリットについて改めて確認しておきましょう。
■ 即戦力が期待できる
同じ業界で経験のある方なら、基礎的なことを教える必要がないので、早期の活躍が期待できます。また、 就業経験のない新卒採用と違い、すでに社会人としての経験を積んだ人材のため、研修コストも抑えることができます。
■ 過去の実績に基づいた判断ができる
職務経歴書などの人物や職務適正、専門性を判断する材料が揃っていることから、選考の段階で自社が求める経験・スキルを有しているか見極められ、入社後すぐに戦力化できます。
■ 社内の活性化
自社にはない知識やノウハウを導入できる可能性が期待でき、 既存の社員の大きな刺激となり、今までなかった新しい企画・発想が生まれやすくなります。 異業種の場合は新たな発見をもたらしてくれるのも中途採用のメリットです。
■ 短期間で採用できる
新卒採用は4月一括入社の企業がほとんどですが、中途採用は通年で採用することができ、 数週間程度で決まることがほとんどです。 欠員補充または新規事業や組織改革などのタイミングに合わせて、募集することが可能です。
いかがでしたでしょうか。
正社員の採用活動はこの1年で大きな変化を遂げました。時代の流れに乗り遅れないよう、中途採用の基礎的な部分を踏まえながら最新情報を今後もお届けしていきます。次回は、「新卒採用との違いと採用の流れ」について解説していきます。
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